2022/11/26 受賞報告:山津健太先生の論文が日本臨床スポーツ医学会の2021年度学会賞を受賞いたしました

日本臨床スポーツ医学会の理事会が開催され,令和3年度に大学院博士課程前期を修了した山津健太先生(現所属:オージー技研 株式会社)の論文が2021年度の学会賞に,選出されました.

カッティング動作中の床反力における内側ハムストリングの機能 -選択的筋疲労条件を用いた検討-
Analysis of the Medial Hamstring Function in the Ground Reaction Force During the Cutting Maneuvers Under a Created Muscle Fatigue Condition
山津健太,青木信裕,片寄正樹,渡邉耕太

日本臨床スポーツ医学会誌:Vol.30 No.2, 2022

カッティング動作は下肢スポーツ損傷の受傷機転の1つであり,内側ハムストリングがそのリスク低下に働くと考えられますが,筋機能の詳細は不明です.
内側ハムストリングの力学的機能を明らかにすることを目的として,半腱様筋への神経筋電気刺激により筋疲労を誘発し,その前後で随意収縮課題とカッティング動作中の床反力を計測しました.
全対象者で内側ハムストリングの筋疲労を誘起することができ,床反力は,筋疲労前は前後方向の減速成分で4種類のカッティング動作方法全てで有意差を認めました.一方で,筋疲労後には,同一の助走速度での方向転換角度の異なる動作間で有意差が消失していました.以上より,内側ハムストリングは方向転換角度に応じてカッティング動作時の減速をコントロールする機能を有すると考えられました.