Novel equation for skeletal muscle mass estimation is useful for predicting mortality in patients with heart failure
Suguru Honma, Satoshi Katano, Ryohei Nagaoka, Ryo Numazawa, Hidemichi Kouzu, Katsuhiko Ohori, Ryo Nishikawa, Wataru Ohwada, Nobutaka Nagano, Masayuki Koyama, Masaki Katayose, Chikashi Kobayashi, Nobuhiro Yoshioka, Akiyoshi Hashimoto, Toshiyuki Yano
新規推定式による推定骨格筋量は心不全患者の予後予測に有用である
本間傑,片野唆敏,長岡凌平,沼澤瞭,神津英至,大堀克彦,西川諒,大和田渉,永野伸卓,小山雅之,片寄正樹,小林史,善岡信博,橋本暁佳,矢野俊之
心不全患者における骨格筋量は運動耐容能や予後と密接に関連しており,適切に評価することは臨床上極めて重要です.骨格筋量の測定にはDEXA法(二重エネルギーX線吸収法)がスタンダードですが,コストや病院での測定となるため,日常臨床には適しておりません.これまで,我々の研究グループでは,形態計測の簡易性に着目し,上腕周囲長と下腿周囲長から心不全の骨格筋量を高精度に推定可能な新規推定式を開発しました(Katano S., Honma S., et al. Eur J Prev Cardiol. 28: e18-e21, 2020.).今回の研究では,この新規推定式による推定骨格筋量が心不全患者の予後予測に有用かを検討しました.その結果,新規推定式による推定骨格筋量は,DEXA法による実測骨格筋量と同様に予後と関連し(Figure 1),その予後予測精度はDEXA法による実測骨格筋量と同程度であることを明らかにしました(Figure 2).今回の検討により,新規推定式による骨格筋量の推定が,日常臨床や大規模疫学研究における予後不良リスクの高い心不全患者の検出に応用されることが期待されます.