訪問研究員の加藤拓也の論文がScientific Reportsに採択されました.(責任著者:谷口圭吾教授)
Quantifying the shear modulus of the adductor longus muscle during hip joint motion using shear wave elastography
https://www.nature.com/articles/s41598-023-36698-w.pdf
本研究は,ヒト生体を対象として,せん断波エラストグラフィを用いて股関節角度変化が長内転筋の受動的な弾性変化に及ぼす影響を検証しました.他動的な外転に伴う長内転筋の弾性増加は,屈曲角度に依存し,屈曲位よりも伸展位にて大きいことが明らかとなりました.また,他動的な回旋に伴う弾性変化は,外転角度に依らず,伸展位のみにおいて内旋に伴い増加しました.先行研究にて,長内転筋の弾性−受動張力関係は有意な強い線形関係(R2 = 0.99)を示すことが明らかとなっています(Kato et al. Clin Anat. 2022). このことから,長内転筋の受動張力は,屈曲角度に依存し,外転に伴う増大は伸展位にて大きく,さらに伸展位においては,内旋に伴い増大することが示されました.この知見は,長内転筋の筋損傷メカニズムの解明および長内転筋の特異的なストレッチングや筋力トレーニングの開発に寄与する可能性があります.