2023/11/15 受賞報告:大学院生の浅野柊の論文が日本臨床バイオメカニクス学会の2023年度の学会優秀論文賞を受賞いたしました

日本臨床バイオメカニクス学会にて,大学院生の浅野柊の論文が,2023年度の学会優秀論文賞に選出されました.

肩甲骨の体表解剖に対する関節窩の向きの個体差 -3次元骨モデルを用いた形態解析-
Variation of the glenoid orientation to the body surface: Morphometric analysis using the three-dimensional bone model

浅野 柊,時田 諒,戸田 創,今村 塁,芝山 雄二,杉 憲,片寄 正樹

臨床バイオメカニクス Vol 44: 7-12, 2023

本研究は,右肩甲骨500個体を対象に,肩峰外側後端・肩甲棘基部内側・下角でなす肩甲骨体表面に対する関節窩傾斜角の個体差を肩甲骨前額面・矢状面・水平面の3平面で検証しました.
3平面全てで,最小値と最大値の差が約30°と,肩甲骨体表面に対する関節窩傾斜角に30°程度の個体差が存在することが明らかとなりました.現状,肩甲骨運動の理学所見を評価する際には,肩峰外側後端・肩甲棘基部内側・下角を触診し関節窩の向きを推定することが多いです.本研究結果より,臨床評価において触診等で体表から関節窩の向きを推定する際には,今回認められた形態学的個体差を考慮する必要性が示唆されました.