【概要】本研究では,大腿二頭筋長頭(BFlh)と短頭(BFsh)の筋間結合剥離がBFlhの受動張力に与える影響を検討しました.Thiel法固定献体5体8肢に対して,組織処理を4条件(処理前,皮膚・深筋膜剥離,筋間結合剥離,BFsh剥離) 設け,各条件に対して,股関節角度[H0˚,H90˚],膝関節角度[K0˚,K90˚]の4肢位におけるBFlhとBFshの弾性率を超音波せん断波エラストグラフィを用いて測定しました.その結果,筋間の結合剥離によって,H90˚, K0˚位のBFlh弾性率は有意に増大した一方で,BFshの弾性率は有意に低下しました.大腿二頭筋間の結合剥離により張力が相互に変化したことから,肉離れが多いBFlhの張力低減にBFshが関与している可能性が示されました.