2023/05/12 博士課程後期の中尾学人の論文が国際誌に公表されました

博士課程後期の中尾学人の論文がJournal of Medical Ultrasonicsに採択されました(責任著者:谷口圭吾教授).

Relationship between shear elastic modulus and passive muscle force in human hamstring muscles using a Thiel soft-embalmed cadaver

https://rdcu.be/dbWDS

本研究は,Thiel法固定献体を対象に,大腿二頭筋長頭(BFlh),半腱様筋(ST),半膜様筋(SM)の弾性率と受動張力の関係を明らかにすることを目的としました.その結果,弾性率と受動張力の関係は,いずれの筋および部位においても有意な強い線形関係を示しました (BFlh; R2= 0.995~0.996,ST; R2= 0.970~0.995,SM; R2 = 0.996~0.998).さらに,弾性増加率の傾きは,SMよりもBFlhおよびSTの方で大きくなる結果が得られましたが,筋長および解剖学的断面積による正規化後,筋肉間で有意差はありませんでした.これらのことから,超音波せん断波エラストグラフィを用いたハムストリングス各筋の弾性率の定量により,筋伸長に伴う力学的ストレスを推定評価できる可能性が示されました.また,弾性増加率の傾きは骨格筋の形態特性を反映することも示唆されました.

図:各部位の大腿二頭筋長頭 (BFlh),半腱様筋 (ST),および半膜様筋 (SM) の弾性率-荷重関係の典型例

ハムストリングス各筋における弾性増加率の傾きの筋間比較: (a):正規化前,(b):筋質量で正規化,(c):筋長と断面積で正規化