2023/02/13 博士課程後期の小出所大樹の論文が国際誌に公表されました

Title: Effects of Superficial Tissue and Intermuscular Connections on Rectus Femoris Muscle Shear Modulus Heterogeneity

Author: Taiki Kodesho, Takuya Kato, Gakuto Nakao, Yu Yokoyama, Yuhei Saito, Kota Watanabe, Yuki Ohsaki, Masaki Katayose, Keigo Taniguchi

Journal: Journal of Ultrasound (2023)

https://doi.org/10.1007/s40477-022-00769-x

ヒト生体を対象とした実験では大腿直筋の弾性率には近位で高く,遠位で低いという筋内の不均一性がみられますが,その原因は不明でした.そこで表層組織や組織間の結合に着目し,Thiel法固定献体11例を対象に表層組織や組織間結合を行った際の大腿直筋弾性率を複数部位で確認し,筋内不均一性に関与する因子を検討することとしました.結果として,深筋膜の剥離や組織間結合の剥離によって近位領域の弾性率は低下する一方で,遠位領域の弾性率は組織処理に伴う変化がなく,最終的に部位差の傾向が遠位が高く,近位が低いという生体での部位差の傾向が逆転しました(図参照).このことから,深筋膜や組織間結合が大腿直筋の近位領域の弾性率を高める要因である可能性が示されました.

図.剥離条件における大腿直筋のせん断弾性率の部位差